チラシと特別展のイベントを記入したカレンダーが貼り出され、
余白に研究所職員の予定が書き込まれています。
よく見ると、これがなかなか遊んでいる箇所なのです。
職員の顔ぶれは、「松王丸」「梅王丸」「桜丸」。
彼らの今日の行動予定が書き込まれています。
『菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)』の3兄弟、
こぞって奉公先が没落したと思ったら、
こんなところで再就職してたんですか……(笑)。

(写真提供:九州国立博物館)
『菅原伝授手習鑑』車引の芝居絵より、左から三男桜丸・長男梅王丸・次男松王丸。
梅王丸の背後に立つのは、左大臣藤原時平(しへい)です。
腰掛石の調査がどうのこうのというメモ書きを発見。
学芸員さんいわく、
「山陽道の菅公腰掛石をたどれば、
通ったルートが分かるのではないかと思うんですが」とのこと。
山陽道の道真ゆかりの地を踏破したラジオパーソナリティ、
馬場章夫(ばんば ふみお)氏に聞いてみるのはいかがでしょう?
その下には、「道真の趣味は菊作り ←確定!」なる記述が。
実はコレ、当初はなくて後から追加された書き込みなんです。
道真さんが履歴書を書いたら、趣味の欄は「庭いじり」だと私も思いますが、
これを書いた人は、最初彼の白菊愛好癖を知らなかったのではないでしょうか。
会期途中で知ったとしたら、ひどくコアな情報を拾われたものです。
妙なマネキンが一体、奥のパソコンに向かっています。
首から下げたIDカードには「名誉所長」の文字。
紫の朝服(ちょうふく)なので、どう見ても彼は道真さん。
本職の所長ではないのに、毎日出勤しておられます。

(写真提供:九州国立博物館)
触っても良いとの事でしたので、
「この衣装どこから調達したのだろう?」と不思議がりながら、
ペタペタ存分に触ってまいりました。
等寸大だけに、「会期終わったら貰えないかな」と、不遜にも思う今日この頃です。
(いや、おそろしく場所取りますって……。)