後陽成(ごようぜい)天皇(1571〜1617)の「南無天満大自在天神」の文字と、
福岡藩主黒田綱政(つなまさ)(1659〜1711)の束帯天神の絵のコラボです。
地元ネタではありますが、
つい最近まで福岡市立博物館で黒田長政展をやっていたのとは、
おそらく無関係でしょう。
(写真提供:九州国立博物館)
1世紀前の後陽成院の宸筆(しんぴつ)(天皇の直筆)を入手して
綱政は大喜びで自ら絵を描き、その上に宸筆を貼りました。
江戸時代ともなると、落ち着いた表情で梅と松を背に上畳の上に座す、
定型化した姿で描かれてはいますが、
それでも笏を上から押さえ付けるしぐさだけは、記号として残っています。
天神は連歌の守護神としても知られ、
宮中でも毎月25日に北野法楽連歌(きたのほうらくれんが)が催された記録があります。
この軸も、福岡藩主が主催する正月の連歌の席で実際に掛けられていたとのことです。
(写真提供:九州国立博物館)
なお、会期前半には、北野天満宮が所蔵する別の宸筆が単体で展示されていました。
(画面右)